-
リスク因子を知ろう!閉塞性動脈硬化症の予防
閉塞性動脈硬化症は、足の血管の動脈硬化が原因で起こる病気ですが、その動脈硬化を進行させるいくつかの危険因子(リスクファクター)が知られています。これらのリスク因子を理解し、日常生活で注意することで、閉塞性動脈硬化症の発症や進行を予防することが期待できます。最も大きなリスク因子の一つが、喫煙です。タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素などの有害物質は、血管の内皮細胞を傷つけ、血管を収縮させ、血液を固まりやすくするため、動脈硬化を強力に促進します。禁煙は、閉塞性動脈硬化症の予防において最も重要かつ効果的な対策です。次に、生活習慣病との関連も深いです。糖尿病は、高血糖状態が続くことで血管壁がダメージを受けやすく、動脈硬化を進行させます。また、糖尿病性神経障害によって足の感覚が鈍くなり、傷に気づきにくくなるため、潰瘍や壊疽のリスクも高まります。高血圧も、常に血管に高い圧力がかかることで血管壁が傷つき、動脈硬化を促進します。脂質異常症(高コレステロール血症や高中性脂肪血症など)は、血液中の悪玉コレステロールなどが血管壁に蓄積し、プラーク(粥腫)を形成して血管を狭くするため、動脈硬化の直接的な原因となります。これらの生活習慣病は、食事療法や運動療法、薬物療法などで適切にコントロールすることが、閉塞性動脈硬化症の予防に繋がります。また、加齢も動脈硬化の自然な進行要因の一つですが、上記の危険因子が重なることで、その進行は加速します。男性は女性よりも発症しやすい傾向がありますが、女性も閉経後はリスクが高まります。肥満や運動不足も、高血圧や脂質異常症、糖尿病などを介して間接的に動脈硬化を促進する可能性があります。食生活においては、塩分や動物性脂肪の摂りすぎに注意し、野菜や魚を多く摂るなど、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。これらのリスク因子をできるだけ減らし、健康的な生活習慣を送ることが、閉塞性動脈硬化症の最も効果的な予防策と言えるでしょう。