熱中症の症状別受診する科の選び方
熱中症の症状は、軽度なものから重篤なものまで様々であり、その症状によって受診すべき科の判断も変わってくることがあります。一概に「この科」と決めるのではなく、症状の緊急性や特徴に応じて適切な科を選ぶことが大切です。まず、意識障害(呼びかけへの反応が鈍い、朦朧としている、けいれんなど)、自力での水分補給が困難、極端な高体温といった、明らかに重症と思われる症状の場合は、ためらわずに救急科を受診するか、救急車を要請してください。これらの症状は生命に関わる危険性があるため、迅速な初期治療が不可欠です。次に、発熱、頭痛、吐き気、嘔吐、強い倦怠感、めまい、立ちくらみといった、比較的一般的な熱中症の症状が見られる場合は、内科を受診するのが基本となります。内科医は、これらの症状を総合的に判断し、必要な検査や治療(点滴による水分・電解質補給など)を行ってくれます。もし、かかりつけの内科医がいれば、まずはそちらに相談するのがスムーズでしょう。お子さんの場合は、同様の症状であっても小児科を受診するのが適切です。小児は大人と比べて体温調節機能が未熟であり、熱中症が重症化しやすいため、専門的な知識を持つ小児科医の診察を受けることが推奨されます。また、筋肉痛やこむら返りといった筋肉系の症状が特に強い場合や、皮膚の異常(異常な発汗、あるいは逆に汗が出ない、皮膚が赤く熱いなど)が目立つ場合も、まずは内科で相談し、必要に応じて皮膚科や整形外科など、他の専門科への紹介を検討することになります。重要なのは、自己判断で軽視せず、症状の程度や緊急性を見極め、適切な医療機関と診療科を選ぶことです。迷った場合は、医療機関に電話で相談し、指示を仰ぐようにしましょう。