子供のほっぺが赤く、熱がない場合、親としては心配になるものですが、その原因は一つではありません。慌てずに、まずは考えられる原因を整理してみましょう。1. 生理的な反応・外部刺激: 最も一般的なのは、気温の変化（寒い場所から暖かい場所へ移動した時など）や運動による一時的な血行促進です。また、皮膚が薄くデリケートなため、乾燥、摩擦（よだれ、食べこぼし、マスクなど）、あるいは石鹸や洗剤の刺激などによっても赤みが出やすくなります。これらは、通常、原因となる刺激がなくなれば自然に改善します。2. りんご病（伝染性紅斑）: ヒトパルボウイルスB19による感染症で、両頬にリンゴのような赤い発疹が現れるのが特徴です。発熱は軽微か、ないことも多いです。その後、腕や脚にレース状の発疹が広がることもあります。3. アレルギー反応: 特定の食べ物（食物アレルギー）や、ハウスダスト、花粉、ペットの毛などがアレルゲンとなり、皮膚症状としてほっぺに赤みやかゆみ、湿疹が現れることがあります。アトピー性皮膚炎の症状の一つとして現れることもあります。4. 乳児湿疹・あせも・その他の皮膚炎: 生後間もない赤ちゃんの場合は乳児湿疹、汗をかきやすい季節にはあせもなども考えられます。また、何らかの原因で皮膚に炎症が起きている可能性もあります。5. 単純な肌荒れ: 特に乾燥しやすい季節には、保湿不足から肌荒れを起こし、赤みが出ることがあります。これらの原因は、子供の年齢や季節、生活環境などによっても可能性が変わってきます。重要なのは、赤み以外の症状（かゆみの有無、発疹の形状や広がり、機嫌、食欲など）もよく観察し、記録しておくことです。そして、赤みが長引く場合、かゆみが強い場合、全身状態が悪い場合、あるいは原因が分からず不安な場合は、自己判断せずに小児科や皮膚科を受診し、医師の診断を仰ぐことが大切です。