水疱瘡とは?その原因と感染経路
水疱瘡(みずぼうそう)、正式には水痘(すいとう)と呼ばれるこの病気は、多くの人が幼少期に一度は経験する、あるいはワクチンで予防する感染症の一つです。その特徴的な症状である水ぶくれ(水疱)は、見た目にも痛々しく、強いかゆみを伴うため、かかってしまうと非常につらいものです。では、この水疱瘡は一体何が原因で起こり、どのように感染するのでしょうか。水疱瘡の原因となるのは、「水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella-Zoster Virus: VZV)」というウイルスです。このウイルスに初めて感染することで、水疱瘡として発症します。一度水疱瘡にかかると、体内に免疫ができるため、基本的には二度かかることはありません。しかし、治癒した後もウイルスは体内の神経節に潜伏し続け、将来的に免疫力が低下した際などに、帯状疱疹として再活性化することがあります。水疱瘡の主な感染経路は、「空気感染(飛沫核感染)」「飛沫感染」「接触感染」の3つです。空気感染は、感染者の咳やくしゃみ、会話などで飛び散ったウイルスを含む小さな粒子(飛沫核)が空気中を漂い、それを吸い込むことで感染する経路です。ウイルスが広範囲に拡散しやすいため、感染力が非常に強いのが特徴です。飛沫感染は、感染者の咳やくしゃみなどで飛び散ったウイルスを含む飛沫(しぶき)を、近くにいる人が吸い込むことで感染します。接触感染は、感染者の水疱やそこから出た滲出液に直接触れたり、ウイルスが付着したタオルや食器などを介して間接的に触れたりすることで、手や指を介して口や鼻、目の粘膜からウイルスが侵入し感染します。これらの感染経路により、水疱瘡は特に集団生活を送る保育園や幼稚園、学校などで流行しやすい感染症の一つとなっています。