大人が手足口病にかかった場合、つらい症状と闘いながらも、「いつから仕事に復帰できるのか」という点は非常に気になる問題でしょう。手足口病は、インフルエンザのように法律で明確な出席停止期間が定められているわけではありません。しかし、感染力の強さや、周囲への影響を考慮すると、自己判断で無理に出勤することは避けるべきです。仕事復帰の目安としては、まず解熱し、全身状態が良好であることが前提となります。高熱が続いていたり、強い倦怠感や頭痛、筋肉痛といった症状が残っていたりする間は、自宅で安静に療養することが推奨されます。次に、口の中の痛みや発疹が改善し、食事が普通に摂れるようになっていることも重要なポイントです。口内炎や水疱による痛みが強く、食事や水分摂取が困難な状態では、体力も回復しにくく、仕事に集中することも難しいでしょう。そして、最も考慮すべきは、周囲への感染リスクです。手足口病のウイルスは、症状が治まった後も、比較的長期間（数週間から数ヶ月）、便の中に排出されることがあります。また、咳やくしゃみによる飛沫からも、回復後しばらくはウイルスが排出される可能性があります。そのため、厳密には「完全に感染力がなくなるまで」というのは難しいのが現状です。一般的には、解熱し、口内や手足の発疹・水疱が改善し、全身状態が良好になれば、仕事復帰を検討しても良いとされています。ただし、これはあくまで一般的な目安であり、職種や職場の環境（例えば、乳幼児と接する仕事や、食品を扱う仕事など）によっては、より慎重な判断が求められる場合があります。最終的には、医師の診断と指示に従うことが最も重要です。医師に相談し、仕事復帰のタイミングについて適切なアドバイスを受けるようにしましょう。また、職場にも状況を説明し、理解を得ることも大切です。