熱中症は、誰にでも起こり得るものですが、特に子どもや高齢者は、そのリスクが高く、重症化しやすいため、より慎重な対応が求められます。子どもや高齢者が熱中症の疑いがある場合、病院へ行くべきかどうかの判断基準は、成人よりも早めの対応を心がけることが重要です。まず、子どもの場合です。子どもは、大人と比べて体温調節機能が未熟であり、体内の水分量も少ないため、急速に脱水症状が進行しやすいという特徴があります。以下のような症状が見られたら、速やかに小児科を受診しましょう。ぐったりしていて元気がない、顔色が悪い(青白い、あるいは赤ら顔)、唇が乾燥している、おしっこの回数や量が減っている、嘔吐や下痢がある、呼びかけへの反応が鈍い、機嫌が非常に悪い、などです。たとえ体温がそれほど高くなくても、これらの症状が見られる場合は注意が必要です。また、乳幼児の場合は、自分で症状を訴えることができないため、周囲の大人が注意深く観察し、普段と違う様子が見られたら早めに医療機関に相談することが大切です。次に、高齢者の場合です。高齢者は、暑さや喉の渇きを感じにくくなっていたり、体温調節機能が低下していたりするため、自覚症状がないまま熱中症が進行してしまうことがあります。また、持病(心臓病、糖尿病、腎臓病など)がある場合は、熱中症によってその症状が悪化するリスクも高まります。以下のような場合は、医療機関の受診を検討しましょう。めまい、立ちくらみ、頭痛、吐き気、強い倦怠感、手足のしびれや筋肉のけいれん、意識がはっきりしない、言動がおかしい、などです。特に、普段と比べて明らかに様子がおかしいと感じたら、軽視せずに医師の診察を受けるようにしましょう。子どもも高齢者も、熱中症の初期症状を見逃さず、少しでも「おかしいな」と感じたら、早めに医療機関に相談し、適切な指示を仰ぐことが、重症化を防ぐための最も重要なポイントです。