水疱瘡は、特徴的な水疱(水ぶくれ)が現れる前に、風邪に似た初期症状が見られることがあります。この初期症状の段階で水疱瘡の可能性に気づくことができれば、早期の対応や周囲への感染拡大防止につながるため、見逃さないためのポイントを理解しておくことが大切です。水疱瘡の初期症状として最も一般的なのは、発熱です。37~38℃程度の微熱から、時には39℃以上の高熱が出ることもあります。ただし、発熱の程度には個人差があり、全く熱が出ないケースや、発疹と同時に発熱するケースも見られます。発熱と同時期か、少し遅れて、倦怠感、食欲不振、頭痛、筋肉痛といった、いわゆる風邪のような全身症状が現れることもあります。子どもが何となく元気がない、食欲がない、ぐずるといった様子が見られたら、注意深く観察しましょう。そして、これらの初期症状が現れてから1~2日後、あるいは最初から、いよいよ水疱瘡の特徴である発疹が出始めます。最初は、胸やお腹、背中といった体幹部を中心に、虫刺されのような赤いポツポツとした小さな発疹(紅斑)が現れます。この段階では、まだ水疱瘡と気づきにくいかもしれません。しかし、この赤い発疹は、数時間から1日程度で急速に変化し、中心部分がプクッと盛り上がり、水を持った小さな水疱へと変わっていきます。この水疱は、強いかゆみを伴うのが特徴です。水疱瘡の発疹は、一度に全身に出るのではなく、数日にわたって次々と新しいものが出現し、紅斑、水疱、そして水疱が破れてかさぶたになるという異なる段階の発疹が混在する状態(「発疹の多形性」と呼ばれます)が見られるのが典型的な経過です。これらの初期症状や発疹の出方を注意深く観察し、水疱瘡の疑いがある場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。