大人の手足口病いつ病院へ行くべき?
大人が手足口病にかかると、子どもよりも症状が重くなることがあるため、どのような場合に病院を受診すべきかを知っておくことが大切です。手足口病はウイルス感染症であり、特効薬はないため、基本的には対症療法が中心となりますが、合併症のリスクや症状の強さによっては、医師の診察が必要となります。まず、高熱が続く場合は受診を検討しましょう。39℃以上の高熱が数日間続く、あるいは解熱剤を使用してもなかなか熱が下がらないといった場合は、脱水症状のリスクも高まりますし、他の感染症との鑑別も必要になることがあります。次に、口の中の痛みが強く、水分や食事がほとんど摂れない場合も注意が必要です。口内炎や水疱による強い痛みで、唾液を飲み込むのもつらいような状態では、脱水症状や栄養不足に陥る可能性があります。点滴による水分・電解質補給が必要になることもあります。また、発疹の範囲が非常に広い、あるいは水疱が大きく、強い痛みを伴う場合も、医師に相談することをお勧めします。皮膚症状に対する適切な処置や、痛みを和らげるための薬の処方が受けられるかもしれません。頭痛や嘔吐が激しい、意識が朦朧とする、ぐったりしていて起き上がれないといった症状が現れた場合は、稀ではありますが、髄膜炎や脳炎といった重篤な合併症の可能性も考えられるため、速やかに医療機関を受診してください。さらに、持病がある方(糖尿病、心臓病、腎臓病など)や、妊娠中の方、免疫抑制状態にある方が手足口病にかかった場合は、重症化するリスクが高いため、症状が軽微であっても早めに医師に相談することが賢明です。手足口病は自然に治癒することが多い病気ですが、上記のような場合は自己判断せずに、医療機関を受診し、適切なアドバイスと治療を受けるようにしましょう。