熱中症の疑いで病院を受診し、医師の診察や治療を受けた後、自宅で療養することになった場合、再発を防ぎ、しっかりと回復するためには、いくつかの注意点を守って過ごすことが大切です。医師からの指示をよく守り、無理をしないことが基本となります。まず、最も重要なのは、涼しい環境で安静に過ごすことです。エアコンや扇風機などを適切に使用し、室温を快適な状態(一般的には28℃以下が目安)に保ちましょう。直射日光を避け、風通しの良い場所で、できるだけ体を休めるようにします。激しい運動や長時間の外出は、症状が完全に回復するまでは避けるべきです。次に、こまめな水分と塩分の補給を継続します。医師から特別な指示がない限り、経口補水液やスポーツドリンク、あるいは水に少量の塩を加えたものなどを、少量ずつ頻繁に摂取するようにしましょう。一度に大量に飲むのではなく、喉が渇く前に飲むのがポイントです。カフェインやアルコールが含まれる飲み物は、利尿作用があり脱水を助長する可能性があるため、控えるようにしましょう。食事も、消化の良い、栄養バランスの取れたものを摂るように心がけます。食欲がない場合は、無理に固形物を食べる必要はありませんが、ゼリーやスープなど、口当たりの良いものから少しずつ摂取し、体力の回復に努めましょう。また、体調の変化に注意し、もし症状が悪化したり、新たな症状が現れたりした場合は、速やかに再度医療機関を受診するか、医師に相談してください。特に、頭痛や吐き気がぶり返したり、意識が朦朧としたりするような場合は、ためらわずに対応しましょう。熱中症は、一度回復したように見えても、無理をすると再発しやすい疾患です。医師から「もう大丈夫」と言われるまでは、油断せずに慎重に過ごすことが、完全な回復への近道となります。