目の周りに湿疹ができてしまい、市販の塗り薬を試してみたけれど、なかなか良くならない、あるいはかえって悪化してしまった…そんな経験はありませんか。目の周りの皮膚は非常にデリケートなため、自己判断での市販薬の使用は慎重に行う必要があります。もし、市販薬で効果が見られない場合は、速やかに皮膚科を受診することが最も適切な対処法です。市販薬で治らない理由としては、いくつかの可能性が考えられます。まず、湿疹の原因が市販薬の対象外である場合です。例えば、湿疹の原因が細菌や真菌、ウイルスによる感染症であったり、アトピー性皮膚炎のような慢性的な皮膚疾患であったりする場合、市販の一般的な湿疹薬では効果が期待できません。また、化粧品かぶれ(接触皮膚炎)の場合も、原因となる化粧品の使用を中止し、適切な治療を行わなければ改善しません。次に、市販薬の成分が肌に合っていない、あるいは強すぎる場合です。特に、ステロイド外用薬は、炎症を抑える効果が高い反面、目の周りのような薄い皮膚には強すぎる場合があり、副作用(皮膚が薄くなる、血管が浮き出るなど)のリスクも伴います。自己判断で長期間使用し続けるのは危険です。さらに、症状が既に悪化している場合も、市販薬だけでは対応が難しくなります。炎症が強い、かゆみがひどい、範囲が広がっているといった場合は、より強力な治療や、内服薬の併用が必要になることもあります。皮膚科を受診すれば、医師が湿疹の原因を正確に診断し、その原因と症状の程度に合わせた適切な薬剤(ステロイド外用薬の強さや種類、非ステロイド性の抗炎症薬、保湿剤、抗ヒスタミン薬の内服など)を処方してくれます。また、正しい塗り方やスキンケア方法についても指導を受けることができます。自己判断で市販薬を使い続けるよりも、専門医の診察を受ける方が、結果的に早く、そして安全に症状を改善できる可能性が高いのです。