手のしびれは日常的にも起こりうる症状ですが、中には放置しておくと危険な病気のサインである可能性もあります。以下のような症状が見られる場合は、自己判断せずに速やかに医療機関を受診するようにしましょう。まず、突然発症し、急激に悪化する手のしびれです。特に、片側の手足にしびれや麻痺が同時に現れたり、ろれつが回らない、顔の片側が歪む、物が二重に見える、めまいといった他の神経症状を伴う場合は、脳梗塞や脳出血といった脳血管障害の可能性があります。これは一刻を争う緊急事態ですので、直ちに救急車を呼ぶか、脳神経外科や神経内科のある救急医療機関を受診してください。次に、しびれとともに、激しい頭痛や首の痛み、発熱、意識障害などが現れた場合も注意が必要です。髄膜炎や脳炎といった中枢神経系の感染症や炎症、あるいはくも膜下出血などの可能性も考えられます。また、手のしびれだけでなく、徐々に筋力が低下して物が持ちにくくなったり、歩きにくくなったり、細かい作業が困難になったりする場合も、進行性の神経疾患や脊髄の病気(例えば、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や脊髄腫瘍など)の可能性があります。しびれが両手両足に広がり、左右対称に現れる場合や、手袋や靴下を履いたような感覚の異常(感覚鈍麻)がある場合は、多発性神経炎や糖尿病性神経障害などが考えられます。特に、糖尿病の既往がある方は注意が必要です。胸の痛みや圧迫感を伴う手のしびれ(特に左手)は、心筋梗塞や狭心症といった心臓の病気のサインであることもあります(放散痛)。これらの危険なサインは、あくまで一例であり、全てが当てはまらなくても、普段とは違う、何かおかしいと感じる手のしびれであれば、早めに医師に相談することが大切です。早期発見と適切な治療が、重篤な後遺症を防ぐ鍵となります。
こんな手のしびれは要注意!危険なサインかも