自律神経の乱れからくる胃の不調は、日常生活におけるセルフケアや、東洋医学の知恵であるツボ押しを取り入れることで、症状の緩和が期待できる場合があります。医療機関の受診も重要ですが、日々の生活の中で手軽にできるケアを知っておくと心強いでしょう。まず、セルフケアの基本は、リラックスできる環境作りです。ストレスは自律神経の最大の敵。アロマを焚いたり、好きな音楽を聴いたり、ぬるめのお風呂にゆっくり浸かったりするなど、心身が安らぐ時間を持つことが大切です。深呼吸も効果的です。ゆっくりと息を吸い込み、さらに時間をかけて息を吐き出す腹式呼吸は、副交感神経を優位にし、リラックス効果を高めます。また、適度な運動も自律神経のバランスを整えるのに役立ちます。ウォーキングやストレッチ、ヨガなど、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけましょう。特に、朝の光を浴びながらの散歩は、体内時計を整え、自律神経のリズムを正常化するのに効果的です。次に、胃の不調に効果が期待できると言われるツボをいくつかご紹介します。代表的なものに、「足三里(あしさんり)」があります。膝のお皿の外側下にあるくぼみから、指4本分下にあるツボで、胃腸の働きを整える効果があると言われています。また、手の甲側、親指と人差し指の骨が交わる手前にあるくぼみ「合谷(ごうこく)」も、万能のツボとして知られ、ストレス緩和や消化不良にも効果が期待できます。おへその少し上にある「中脘(ちゅうかん)」は、胃の不調全般に良いとされるツボです。これらのツボを、気持ち良いと感じる程度の強さで、ゆっくりと指圧したり、温めたりしてみましょう。ただし、これらのセルフケアやツボ押しは、あくまで症状緩和の一助であり、根本的な治療ではありません。症状が改善しない場合や、悪化する場合には、必ず医療機関を受診し、医師の診断を仰ぐようにしてください。
自律神経の乱れによる胃の不調セルフケアとツボ