睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、大人だけでなく、子どもにも起こりうる病気です。子どものSASは、成長や発達、学習能力、行動面などに影響を与える可能性があるため、早期の発見と適切な対応が重要です。では、子どもにSASの疑いがある場合、何科に相談すれば良いのでしょうか。まず、最も身近な相談窓口となるのが、かかりつけの小児科です。小児科医は、子どもの成長発達全般を理解しており、いびきや睡眠中の呼吸の状態、日中の様子(眠気、集中力、多動傾向など)について相談に乗ってくれます。初期的な評価を行い、必要であれば専門の医療機関を紹介してくれるでしょう。より専門的な診断や治療が必要な場合、主な選択肢となるのが耳鼻咽喉科です。子どものSASの最も一般的な原因は、アデノイド肥大や扁桃腺肥大といった鼻や喉の構造的な問題です。耳鼻咽喉科医は、これらの部位を内視鏡などで詳しく診察し、気道の閉塞の程度を評価します。もし、アデノイドや扁桃腺の肥大がSASの原因であると判断されれば、手術(アデノイド切除術や扁桃摘出術)が検討されることがあります。多くの場合、これらの手術によってSASの症状は劇的に改善します。また、小児呼吸器科や小児神経科でも、子どものSASの診療を行っている場合があります。特に、肥満が原因である場合や、神経筋疾患、先天的な奇形などが背景にある複雑なケースでは、これらの専門科との連携が必要になることもあります。睡眠検査(簡易検査や精密検査)は、子どものSASの診断においても重要ですが、子どもに検査を行うのは大人よりも難しい面があるため、小児の睡眠検査に慣れた施設を選ぶことが望ましいです。もし、子どもにいびきが大きい、寝ている時に息が苦しそう、口呼吸が多い、日中いつも眠たそう、落ち着きがない、学習面に課題があるといったサインが見られたら、自己判断せずに、まずは小児科か耳鼻咽喉科に相談してみましょう。
子どもの睡眠時無呼吸、何科に相談すべき?