おへそから膿が出ると同時に、嫌な臭いがする場合、その原因は何なのでしょうか。そして、どのように対処すれば良いのでしょうか。へそから膿と臭いが生じる最も一般的な原因は、おへその中に溜まった垢や汗、皮脂などの汚れに細菌が繁殖し、炎症を起こす「臍炎(さいえん)」または「臍周囲炎(さいしゅういえん)」です。私たちの皮膚には、普段から様々な常在菌が存在していますが、おへその中はくぼんでいて汚れが溜まりやすく、また湿度も高くなりやすいため、細菌が増殖しやすい環境にあります。細菌が増殖すると、その代謝産物として臭い物質が作られたり、炎症によって膿(細菌の死骸や白血球など)が排出されたりすることで、膿と臭いが発生します。特に、おへその形が深い人や、手入れを怠っている人、汗をかきやすい人などは、臍炎を起こしやすい傾向があります。対処法としては、まず、おへそを清潔に保つことが基本です。入浴時に、石鹸をよく泡立てて、指や綿棒などで優しくおへその中を洗い、その後、シャワーでよく洗い流します。ただし、ゴシゴシと強くこすりすぎると、皮膚を傷つけてしまう可能性があるので注意が必要です。入浴後は、おへその中までしっかりと水分を拭き取り、乾燥させることが大切です。もし、すでに膿が出ていたり、赤みや痛みがある場合は、自己判断で消毒液を頻繁に使用したり、無理に汚れを取ろうとしたりせず、皮膚科を受診しましょう。医師は、おへその状態を診察し、必要であれば洗浄や消毒を行い、抗菌薬の塗り薬や飲み薬を処方してくれます。膿が溜まっている場合は、切開して排膿することもあります。また、まれに尿膜管遺残などの先天的な異常が原因で、おへそから膿や臭いのある液体が漏れ出てくることもあります。この場合は、外科的な治療が必要となるため、皮膚科から他の専門科(小児外科や泌尿器科、形成外科など)を紹介されることもあります。いずれにしても、症状が続く場合は早めに医療機関を受診することが重要です。
へそから膿と臭い考えられる原因と対処法