頻尿の症状があり、それが糖尿病によるものではないかと心配になった場合、どのタイミングで医療機関を受診すべきなのでしょうか。自己判断で様子を見てしまうと、糖尿病が進行したり、合併症のリスクが高まったりする可能性があるため、早期の受診が大切です。まず、頻尿の程度が、日常生活に支障をきたすほどである場合は、受診を検討しましょう。例えば、日中に何度もトイレに行くために仕事や家事に集中できない、夜間にトイレのために何度も起きてしまい睡眠不足になっている、といった状態です。また、頻尿の回数が、以前と比べて明らかに増えている場合も注意が必要です。例えば、以前は一日五回程度だったトイレの回数が、最近は十回以上に増えた、といった具体的な変化があれば、医師に伝えやすいでしょう。頻尿に加えて、糖尿病の他の初期症状(口渇、多飲、体重減少、倦怠感、目のかすみ、手足のしびれなど)が一つでも見られる場合は、糖尿病の可能性がより高まるため、速やかに医療機関を受診することをお勧めします。特に、これらの症状が複数当てはまる場合は、血糖コントロールがかなり悪化している可能性があります。また、過去の健康診断などで、血糖値が高めであることや、糖尿病予備群(境界型糖尿病)であることを指摘されたことがある方は、頻尿の症状が現れたら、糖尿病が進行しているサインかもしれないと考え、早めに再検査を受けるようにしましょう。さらに、家族に糖尿病の人がいる、肥満傾向にある、運動不足である、不規則な食生活を送っているといった、糖尿病の危険因子(リスクファクター)を持つ方も、頻尿の症状にはより注意が必要です。受診する診療科としては、まずは内科やかかりつけ医が良いでしょう。そこで血糖値やHbA1c(過去1~2ヶ月の平均血糖値を反映する指標)といった血液検査を行い、糖尿病の有無や状態を診断してくれます。必要に応じて、糖尿病専門医のいる医療機関を紹介されることもあります。不安な症状があれば、我慢せずに早めに医師に相談することが大切です。