おへそから膿が出るだけでなく、腹痛や発熱といった全身症状も伴う場合、それは単なるおへその表面的な問題ではなく、より深刻な状態を示唆している可能性があります。このような場合は、自己判断せずに速やかに医療機関を受診することが重要です。受診すべき診療科としては、まず内科やかかりつけ医が挙げられます。内科医は、全身の状態を把握し、腹痛や発熱の原因を多角的に探ってくれます。問診や診察、血液検査、尿検査などを行い、必要に応じて他の専門科への紹介を判断します。もし、おへその炎症が腹腔内にまで波及し、腹膜炎を起こしている場合は、激しい腹痛や吐き気、嘔吐、高熱といった症状が現れます。この場合は、外科的な処置が必要となることもあり、救急外来や外科の受診が緊急に求められます。また、前述の尿膜管遺残が感染を起こした場合も、おへそからの排膿とともに、下腹部痛や発熱が見られることがあります。この場合は、泌尿器科や外科、形成外科などが専門となります。特に、子どもでおへそからの排膿と腹痛、発熱がある場合は、小児外科での診察が推奨されます。稀なケースですが、クローン病などの炎症性腸疾患が、おへそに瘻孔(ろうこう)を形成し、そこから膿や腸液が漏れ出て、腹痛や発熱を伴うこともあります。この場合は、消化器内科での専門的な治療が必要です。その他、虫垂炎(盲腸)や憩室炎といった他の腹腔内感染症が、おへそ周囲の痛みや発熱の原因となることもあり、これらの鑑別も重要になります。このように、へそからの膿に加えて腹痛や発熱がある場合は、様々な可能性が考えられ、中には緊急性の高い疾患も含まれます。まずは内科を受診し、症状を詳しく伝え、医師の指示を仰ぐのが最も安全な対処法と言えるでしょう。原因を特定し、適切な治療を早期に開始することが、重症化を防ぐために不可欠です。