赤ちゃんや小さな子どもがおへそから膿を出しているのを見つけると、保護者の方はとても心配になるでしょう。子どものおへそのトラブルは、大人とは異なる原因が関わっていることもあるため、適切な診療科を選ぶことが大切です。まず、新生児期から乳児期早期(生後数ヶ月くらいまで)の赤ちゃんのおへそから、少量のジクジクとした浸出液や、わずかな膿、あるいは出血が見られる場合は、「臍肉芽腫(さいにくげしゅ)」の可能性があります。これは、おへその緒が取れた後に、おへその底に赤い肉の塊のようなものができる状態で、炎症を起こすと膿が出ることがあります。この場合は、まずかかりつけの小児科に相談するのが一般的です。小児科医は、臍肉芽腫の診断と、硝酸銀による焼灼処置や、ステロイド軟膏の塗布といった治療を行ってくれます。また、この時期の赤ちゃんに起こりやすい「臍炎」も、おへそに細菌が感染して炎症を起こし、膿や赤み、腫れ、嫌な臭いなどが現れます。これも小児科で対応可能です。抗菌薬の塗り薬や飲み薬が処方されます。もし、おへそから尿のような液体が漏れ出てきたり、おへそが常に湿っていて、おしっこをする時に一緒におへそからも液体が出るような場合は、「尿膜管遺残」の可能性があります。これは、胎児期におへそと膀胱を繋いでいた尿膜管という管が、出生後も閉じずに残ってしまっている状態で、感染を起こすと膿が出ることがあります。この尿膜管遺残が疑われる場合は、小児外科が専門となります。超音波検査などで診断し、多くの場合、手術による治療が必要となります。幼児期以降の子どもでも、おへその手入れが不十分だったり、汗をかきやすかったりすることで、大人と同様の臍炎を起こすことがあります。この場合も、まずは小児科か、あるいは皮膚科を受診するのが良いでしょう。いずれにしても、子どものおへそから膿が出ている場合は、自己判断せずに、早めに医師の診察を受けるようにしてください。