「頭痛くらいで病院に行くなんて…」と我慢してしまう方もいるかもしれませんが、特に偏頭痛のような慢性的な頭痛は、日常生活に大きな影響を与えることがあります。そのような頭痛に悩む人にとって、頼りになるのが「頭痛外来」です。頭痛外来とは、その名の通り、頭痛の診断と治療を専門的に行う外来のことです。一般的な内科や脳神経外科でも頭痛の診療は行っていますが、頭痛外来では、頭痛診療に精通した「頭痛専門医」が、より専門的な知識と経験に基づいて、きめ細やかな診療を提供してくれます。頭痛外来を受診するメリットとしては、まず、正確な診断が期待できるという点が挙げられます。頭痛には、偏頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛といった一次性頭痛(頭痛そのものが病気)と、脳腫瘍や脳血管障害、感染症などが原因で起こる二次性頭痛(他の病気の症状として現れる頭痛)があります。特に二次性頭痛は、命に関わる危険なものもあるため、これらを的確に鑑別診断することが非常に重要です。頭痛専門医は、詳細な問診や神経学的診察、必要に応じた画像検査などを通じて、頭痛の種類と原因を正確に特定します。次に、個々の患者さんに合わせた最適な治療法の選択です。偏頭痛の治療薬には、急性期治療薬(トリプタン製剤など)や予防薬など様々な種類があり、効果や副作用も人によって異なります。頭痛専門医は、患者さんの症状の程度や頻度、ライフスタイル、他の持病などを総合的に考慮し、最も適切な薬剤や治療法を選択してくれます。また、薬物療法だけでなく、生活習慣の改善指導や、頭痛ダイアリーの活用、誘因の特定と対策など、頭痛と上手に付き合っていくための具体的なアドバイスも受けることができます。最近では、新しい偏頭痛治療薬(CGRP関連抗体薬など)も登場しており、頭痛外来ではこれらの最新治療に関する情報も得やすいでしょう。頭痛外来は、大学病院や総合病院の神経内科や脳神経外科内に併設されていることが多いですが、クリニックとして開業している場合もあります。つらい頭痛に悩んでいる方は、一度、頭痛外来の受診を検討してみてはいかがでしょうか。
頭痛外来とは?偏頭痛治療の専門機関