病院の良し悪し

2025年10月
  • 歯科や口腔外科も?SAS治療の意外な窓口

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    睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療というと、呼吸器内科でのCPAP療法や、耳鼻咽喉科での手術を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、実は歯科や口腔外科も、SASの治療において重要な役割を担うことがあるのをご存知でしょうか。特に、軽症から中等症の閉塞性SASに対して有効な治療法の一つに、マウスピース(口腔内装置、スリープスプリントとも呼ばれます)があります。このマウスピースは、就寝時に装着することで、下顎を前方にわずかに移動させ、舌の根元が喉の奥に落ち込むのを防ぎ、気道を広げる効果があります。これにより、いびきや無呼吸の回数を減らし、睡眠の質を改善することが期待できます。このSAS治療用のマウスピースの作製と調整を専門的に行っているのが、歯科や口腔外科なのです。ただし、全ての歯科医院で対応しているわけではなく、睡眠歯科医学に関する専門知識や経験を持つ歯科医師がいる医療機関を選ぶ必要があります。マウスピース治療を始める前には、まず呼吸器内科や睡眠外来などで睡眠検査を受け、SASの正確な診断と重症度の評価を受けることが不可欠です。その上で、医師からマウスピース治療が適していると判断された場合に、歯科や口腔外科を紹介されるという流れが一般的です。歯科では、まず歯型を採り、個々の患者さんの顎の形や噛み合わせに合わせてオーダーメイドのマウスピースを作製します。作製後も、定期的な調整やメンテナンスが必要となります。マウスピース治療のメリットとしては、CPAP療法に比べて持ち運びが簡便で、装着感が比較的良いこと、電気を使わないことなどが挙げられます。一方で、顎関節に負担がかかったり、歯や歯茎に違和感が出たりする可能性もあるため、歯科医師による適切な管理が重要です。SASの治療法は一つではありません。自分の症状や状態に合わせて、様々な選択肢があることを知り、医師や歯科医師とよく相談しながら、最適な治療法を見つけていくことが大切です。