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皮膚科?外科?へそから膿が出る原因別受診先
おへそから膿が出るという症状は、その原因によって受診すべき診療科が異なります。代表的な原因別に、どの科が適しているのかを見ていきましょう。まず、最も一般的な原因は「臍炎(さいえん)」または「臍周囲炎(さいしゅういえん)」です。これは、おへその中に垢や汗、皮脂などの汚れが溜まり、そこに細菌が繁殖して炎症を起こすものです。特に、おへその形が深かったり、手入れが行き届いていなかったりすると起こりやすくなります。この場合は、皮膚科が専門となります。皮膚科では、おへその洗浄や消毒、抗菌薬の塗り薬や飲み薬による治療が行われます。膿が溜まっている場合は、切開して排膿することもあります。次に考えられるのが、「尿膜管遺残(にょうまくかんいざん)」です。尿膜管とは、胎児期におへそと膀胱を繋いでいた管のことで、出生後は通常閉鎖して索状物になります。しかし、これが完全に閉じずに残ってしまうと、そこに感染を起こして膿が出たり、お腹の痛みや発熱といった症状が現れたりすることがあります。この尿膜管遺残が疑われる場合は、小児外科(子どもの場合)や泌尿器科、あるいは外科、形成外科が専門となります。診断には、超音波検査やCT検査などが行われ、治療としては手術が必要になることが多いです。また、「臍ヘルニア(さいへるにあ)」、いわゆる「でべそ」に炎症が合併した場合も、膿が出ることがあります。臍ヘルニアそのものの治療は、小児外科や外科で行われます。稀ではありますが、クローン病などの炎症性腸疾患が、おへそに瘻孔(ろうこう:管状の穴)を形成し、そこから膿や腸液が漏れ出てくることもあります。この場合は、消化器内科での専門的な治療が必要です。その他、粉瘤(ふんりゅう:アテロームとも呼ばれる皮膚の下にできる良性の腫瘍)がおへそやその周辺にできて、炎症を起こした場合も、膿が出ることがあります。これは皮膚科や形成外科で治療します。このように、へそから膿が出る原因は様々ですので、自己判断せずに医療機関を受診し、正確な診断を受けることが大切です。