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循環器内科?血管外科?閉塞性動脈硬化症の受診先
足の冷えやしびれ、歩行時の痛みといった症状から閉塞性動脈硬化症が疑われる場合、循環器内科と血管外科、どちらを受診すれば良いのか迷うことがあるかもしれません。それぞれの診療科の役割と特徴を理解し、適切な受診先を選ぶことが大切です。まず、循環器内科は、心臓や血管(動脈、静脈、リンパ管)の病気全般を内科的に診断・治療する専門科です。閉塞性動脈硬化症の初期診断においては、まず循環器内科を受診するのが一般的です。問診や診察、そしてABI(足関節上腕血圧比)検査、超音波(エコー)検査などを行い、足の血流の状態を評価し、病気の有無や進行度を診断します。治療としては、まず禁煙や食事療法、運動療法といった生活習慣の改善指導が行われます。また、血液をサラサラにする薬(抗血小板薬)や、血管を広げる薬(血管拡張薬)、コレステロールを下げる薬といった薬物療法も、循環器内科が中心となって行います。一方、血管外科は、血管の病気に対して、手術やカテーテル治療といった外科的なアプローチを専門とする診療科です。循環器内科での検査の結果、血管の狭窄や閉塞の程度が強く、薬物療法だけでは十分な効果が期待できない場合や、症状が重く日常生活に大きな支障が出ている場合には、血管外科での治療が検討されます。代表的な治療法としては、カテーテルを用いて狭くなった血管を風船で広げたり、ステントという金属の筒を留置したりする「血管内治療(カテーテル治療)」や、自分の血管や人工血管を使って、詰まった血管の先に血液が流れるように新しい道を作る「バイパス手術」などがあります。どちらの科を受診するか迷う場合は、まずは循環器内科で相談し、診断と初期治療を受けるのが良いでしょう。そこで、より専門的な外科的治療が必要と判断されれば、血管外科を紹介されるという流れが一般的です。また、大きな病院では、循環器内科と血管外科が連携して治療にあたる「血管センター」などが設置されていることもあります。