病院の良し悪し

頻尿の症状があるからといって、必ずしも糖尿病が原因であるとは限りません。糖尿病以外にも、頻尿を引き起こす様々な病気や要因が存在します。正確な診断のためには、他の可能性も考慮し、必要な検査を受けることが重要です。糖尿病以外で頻尿の原因となる代表的な疾患としては、まず泌尿器系の病気が挙げられます。「過活動膀胱」は、膀胱が過敏になり、尿が十分に溜まっていないのに強い尿意を感じてしまう病気で、頻尿や尿意切迫感が主な症状です。「膀胱炎」などの尿路感染症では、膀胱の粘膜が炎症を起こし、刺激されることで頻尿や排尿時痛、残尿感などが現れます。男性の場合、「前立腺肥大症」が加齢とともに増えてきます。前立腺が肥大すると尿道を圧迫し、尿が出にくくなったり、残尿感が生じたりするため、結果として頻尿になります。女性の場合は、「骨盤臓器脱（子宮脱や膀胱瘤など）」によって膀胱が圧迫され、頻尿になることがあります。また、内分泌系の疾患として、「尿崩症（にょうほうしょう）」があります。これは、尿量を調節する抗利尿ホルモンの分泌異常や作用異常によって、大量の薄い尿が出る病気で、著しい多尿と口渇、多飲が見られます。心因性の要因も頻尿の原因となり得ます。ストレスや不安、緊張などが自律神経のバランスを乱し、膀胱の機能に影響を与えて頻尿を引き起こすことがあります。これを「心因性頻尿」と呼ぶこともあります。その他、利尿作用のある薬剤（例えば、高血圧治療薬の一部や、緑内障治療薬など）の服用や、カフェインやアルコールの過剰摂取、妊娠、あるいは単に水分を摂りすぎているといったことも、頻尿の原因となります。このように、頻尿の原因は多岐にわたるため、自己判断は禁物です。頻尿の症状が続く場合は、まずは内科やかかりつけ医、あるいは泌尿器科を受診し、原因を特定してもらうことが大切です。必要な検査を受け、適切な診断に基づいて治療方針を決めることが、症状改善への第一歩となります。