いびきがうるさいと指摘された、日中に強い眠気がある、寝ている間に呼吸が止まっているようだ…。これらの症状に心当たりがあるなら、それは「睡眠時無呼吸症候群（SAS）」かもしれません。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりする病気で、放置すると様々な健康上のリスクを高めます。では、この睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、まずどの診療科を受診すれば良いのでしょうか。最初に相談すべき診療科としては、呼吸器内科が挙げられます。呼吸器内科医は、肺や気道といった呼吸器系の病気を専門としており、睡眠時無呼吸症候群の診断と治療において中心的な役割を担います。問診（いびきの状況、日中の眠気の程度、睡眠中の呼吸の状態など）や診察に加え、自宅でできる簡易検査や、医療機関に一泊して行う精密検査（ポリソムノグラフィー検査：PSG）などを通じて、無呼吸や低呼吸の回数、酸素飽和度の低下などを評価し、診断を確定します。また、耳鼻咽喉科も選択肢の一つです。特に、鼻づまりや扁桃腺の肥大、アデノイドといった鼻や喉の構造的な問題がいびきや無呼吸の原因となっていると考えられる場合には、耳鼻咽喉科での診察が有効です。歯科や口腔外科でも、睡眠時無呼吸症候群の治療法の一つであるマウスピース（口腔内装置）の作製を行っている場合があります。かかりつけの内科医にまず相談し、症状に応じて適切な専門科を紹介してもらうという方法も良いでしょう。最近では、睡眠時無呼吸症候群を専門に扱う「睡眠外来」や「いびき外来」を設けている医療機関も増えてきています。自己判断せずに、まずは専門医の診察を受けることが大切です。