糖尿病による頻尿の症状を予防したり、悪化させないためには、日頃からの血糖コントロールと、生活習慣の改善が非常に重要になります。日常生活でどのような点に注意すれば良いのか、具体的なポイントを押さえておきましょう。まず最も大切なのは、血糖値を安定させ、良好なコントロールを維持することです。食事療法、運動療法、薬物療法(医師から処方されている場合)をきちんと継続し、定期的に血糖値やHbA1cをチェックして、目標値を達成・維持するように努めましょう。血糖コントロールが良好であれば、高血糖による多尿が抑えられ、頻尿の改善に繋がります。次に、水分摂取の仕方に注意しましょう。喉が渇くからといって、糖分の多いジュースや清涼飲料水を大量に飲むのは避けましょう。これらは血糖値を急上昇させ、さらに頻尿を悪化させる原因となります。水分補給は、水やお茶(ノンカフェインのもの)などをこまめに、適量摂るように心がけます。ただし、医師から水分制限の指示がある場合は、それに従ってください。また、カフェインやアルコールの過剰摂取も、利尿作用があるため頻尿を助長します。摂取量やタイミングに気をつけましょう。夜間の頻尿に悩んでいる場合は、就寝前の水分摂取を控えめにすることも有効です。さらに、糖尿病性神経障害による膀胱機能の低下(糖尿病性膀胱症)を予防・進行させないためには、血糖コントロールに加えて、禁煙、血圧管理、脂質管理も重要です。これらの生活習慣病は、神経障害を悪化させる要因となります。また、便秘も膀胱を圧迫し、頻尿の原因となることがあるため、食物繊維を多く含む食事を心がけ、適度な運動で腸の動きを活発に保つことも大切です。そして、定期的な医療機関の受診を怠らないことです。医師の指示に従い、検査や診察を定期的に受け、自分の体の状態を正確に把握し、必要に応じて治療法や生活習慣の見直しを行うことが、糖尿病による頻尿の予防とコントロールには不可欠です。
糖尿病による頻尿予防と日常生活の注意点