偏頭痛のつらい症状で医療機関を受診する際、医師に自分の症状を的確に伝えることは、正確な診断と適切な治療を受けるために非常に重要です。しかし、いざ診察室に入ると緊張してしまったり、何を伝えれば良いのか分からなくなってしまったりすることもあるでしょう。事前に伝えるべきポイントを整理し、準備をしておくことで、スムーズなコミュニケーションに繋がります。まず、最も重要なのは「いつから、どのような頭痛が、どのくらいの頻度で起こるのか」です。頭痛が始まった時期、痛みの性質(ズキンズキン、締め付けられるなど)、痛む場所、痛みの強さ(日常生活への支障度)、一度の頭痛の持続時間、月に何回くらい頭痛があるかなどを具体的に伝えましょう。「頭痛ダイアリー」をつけている場合は、それを持参すると非常に役立ちます。次に、「頭痛の前兆(アウラ)があるかどうか」も重要な情報です。閃輝暗点(ギザギザした光が見えるなど)や、感覚異常(チクチク感やしびれなど)、言葉が出にくいといった症状が頭痛の前に現れる場合は、それを伝えましょう。また、「頭痛以外の随伴症状」についても詳しく説明します。吐き気や嘔吐、光や音、匂いに対する過敏、めまい、肩こりなど、頭痛と同時に現れる症状があれば、全て伝えましょう。「頭痛の誘因となるもの」についても、思い当たるものがあれば伝えてください。例えば、ストレス、睡眠不足、寝すぎ、特定の飲食物(チョコレート、チーズ、赤ワインなど)、天候の変化、月経周期などが考えられます。そして、「これまでに行った頭痛の対処法と、その効果」も伝えましょう。市販の鎮痛薬を服用している場合は、その薬の種類や頻度、効果の程度などを伝えます。過去の病歴や現在治療中の病気、服用している薬(市販薬やサプリメントも含む)、アレルギーの有無、家族歴(特に家族に偏頭痛の人がいるか)なども、医師にとっては重要な情報です。これらの情報をメモにまとめておくと、診察時に落ち着いて伝えることができます。遠慮せずに、自分の言葉で正直に、そして具体的に伝えることが、より良い治療への第一歩となります。